本当に叩いて理解するの?自由奔放な猫のしつけ
2019年07月13日
自由奔放な猫だけに、困った問題行動に悩まされる飼い主は少なくありません。噛まれた時などに叩いてしつけようとする人がいますが、これで猫は悪いことをしたと分かっているのでしょうか。猫のしつけについて、その特性とあわせて考えていきましょう。
猫の特性を活かせるしつけ!叩くって選択肢は悪いのか
いっしょに生活をしていく上で、噛みグセやテーブルに乗るクセがあれば困ってしまいます。いくら悪いことだからしてはダメだと言い聞かせても、猫には言っている意味が分かりませんし善悪の判断もつきません。犬の場合は根気よくしつけをすることで事態は改善できるものも、猫の場合はそれも難しくなっています。
それでも、叩くという行為でしつけようとするのは絶対にいけません。ペットは動物なのだから、体罰で服従させようという考え方の人もまれにいます。しかし、猫に限ってはそれも通用しません。それどころか、これまで培ってきた信頼関係が一瞬で台無しになってしまいます。叩かないで、悪いクセに応じた適切なしつけ方をしていけば、だんだんと困った行動が少なくなっていくでしょう。
怒らせたワケを猫に伝える方法は叩く以外にないの?
悪いクセを直すには叩かずに、こちらが怒っているということを分からせればよいのです。例えば、噛みグセを考えてみましょう。猫は狩猟本能から悪気なくかみついてしまう特性があります。そうはいっても、噛んだ時に正しく叱れないと猫はこれでいいものと学んでしまい、さらに悪いことに、自分が優位だと思うようにもなってしまうのです。そうなると、調子に乗ってさらに噛むという悪循環に陥ってしまいます。この場合は、噛まれた瞬間に「痛い!」と反応しましょう。あわせて、猫の口の中に指を押し込んで不快感を覚えさせます。猫の手を牙にふれさせても構いません。噛まれると痛いということを分からせるのです。
テーブルに乗ってくるならば、乗った瞬間にテーブルを揺らしましょう。悪いことをすると、怖い思いをするという条件付けもしつけのうちです。
叩くと感じる猫のキモチを考えてしつけを試みよう
頭では分かっていても、テーブルの上の物をひっくり返したりした時など、とっさに手が出ることがあるかもしれません。ですが、どんな場合でも叩くということはしつけとはいえません。
猫の気持ちになってみれば、自分が悪いことをしているという自覚がないのにいきなり叩かれるのです。叩かれたショックで自分がしでかしたことさえ忘れてしまいます。つまり、飼い主に叩かれたという記憶しか残らないのです。
そのため、悪さをするたびに叩いてしつけようとすれば、改善しないどころか飼い主に反抗して問題行動がひどくなることさえあります。犬は飼い主と主従関係で結ばれていますが、猫ではそういった意識はありません。だからこそ、痛いことをしてくる人の言うことを聞かなければならないという考えには至りません。攻撃してくる敵とみなされてしまうのです。