猫がテーブルに乗って困る!正しいしつけ方のコツ
2020年08月15日
かわいい愛猫の行動でも、ときには飼い主を悩ませることがあります。飼い主が食事をしているとき、テーブルに乗りたがるのもその1つでしょう。人間の食べ物のなかには、猫にとって毒になるものも多いので、うっかり食べさせてしまうと危険です。完全室内飼いではない猫の場合には、衛生面も気になるところです。そもそも、なぜ猫はテーブルに乗りたがるのでしょうか。
なぜ猫はテーブルに乗りたがるの?
猫は高いところが大好きですが、それは本能によるものと考えられています。自然のなかで生きる猫の場合、木の上など高い場所にいれば危険なものが近づいてくるのをいち早く察知できます。また、地面の上では害虫に襲われるなどのリスクもありますが、高い場所ではそれを減らせます。猫は「高い場所はより快適で安全だ」ということを、長い時間をかけて習得してきたのです。
キャットタワーのてっぺんなどで、くつろいでいる愛猫を見たことのある飼い主は多いでしょう。テーブルは床より高いために、いっそう落ち着ける場所になっています。また、テーブルに食べ物があることを知っている猫の場合、食べ物を目当てに乗ることがあります。
飼い主がテーブルに着いているときに限って乗ってくるというようなケースでは、構ってほしい気持ちの表れかもしれません。テーブルに乗るたびに飼い主が反応することを学んだ猫は、注意を引きたいときにはテーブルに乗ればいいと知っているのです。
猫をテーブルに乗らせないためにできる工夫
愛猫をテーブルに乗らせたくないとき、飼い主ができる工夫にはどんなものがあるのでしょうか。まずは、テーブルよりも高く居心地のよい場所を提供するのが、最初に採るべき方法です。猫は自分にとって居心地のよい場所を探す能力に長けています。安心して眠れる場所を作ってあげましょう。
また、テーブルの上に食べ物を出しっぱなしにするのはNGです。そこに食べ物がないことを学べば、食べ物目当てにテーブルに乗るモチベーションを減らせます。そして、絶対にテーブルから猫に食べ物をあげてはいけません。「テーブルにはおいしいものがあるのだ」と教えているようなものだからです。
飼い主の注意を引きたくてテーブルに乗ってしまう場合は、猫は欲求不満なのかもしれません。猫は生まれつきのハンターなので、狩りをするのが大好きです。短時間でもよいので、一日一回くらいは猫と真剣に遊びましょう。このとき、きちんと狩りの楽しさを味わえるよう、獲物を捕まえる達成感を満たしてあげることが大切です。獲物を捕まえられない遊びでは、さらにフラストレーションがたまります。
猫は基本的に、構ってほしいときにだけ構われたい生き物です。人間の都合で無理やり抱っこしたり、しつこくちょっかいを出したりするのは避けたほうが無難です。しかし、構ってほしいとアピールしてきたときは、それをしっかり受け止めてあげたいものです。こうすることが、信頼関係を築くのに役立ちます。
猫がテーブルに乗らないようにするしつけ方
猫は犬のようにはしつけができないと思われがちですが、人間とのかかわり方が違うだけで、ある程度のことは理解します。しかし、飼い主がその時々で違った反応をしていたら、しつけをすることはできません。食事中のテーブルに乗ったら怒られるのに、そうでないときは無反応というのでは、しつけにおいてはマイナスです。
叱るなら、怒っていることをきちんと表に出して、短い言葉を使いましょう。「ダメ」や「こら」など、猫にも覚えやすいものがベストです。ただし、猫の名前を呼んで叱ってはいけません。「怒られること=ネガティブな感情=自分の名前」になってしまうので、信頼関係に傷がつきます。そして、決してたたかないでください。たたくことで、たとえ問題行動をしなくなったとしても、飼い主への信頼は下がってしまうからです。猫が飼い主のいうことを聞くのは、信頼関係があるからです。嫌なことをする人間のいうことを聞く猫はいません。
対応策を講じたとしても、猫がテーブルに乗ってしまう場合には、乗れなくする工夫が必要になるでしょう。テーブルを霧吹きなどで湿らせておいたり、乗ってくる部分に粘着テープを貼ったりするのも一つの手段です。しかし、常時自宅に人がいるわけではない家庭も多いので、人がいない時間も、猫をテーブルに乗せないようにするのは難しいのではないでしょうか。飼い主が食事のときに衛生面に注意するほうが、ずっと容易です。猫に危険な食べ物を与えないことは、猫の飼い主に求められる重要な仕事の一つです。食べ物の管理をしっかり行い、うっかり食べてしまうことのないよう注意しましょう。