猫の耳の病気と耳掃除の注意点
2021年01月09日
普段から猫の健康に気をつけてはいても、「耳のなかまでは気が回らない」という人もいるでしょう。猫にとって大切な器官である「耳」について理解を深めることは、猫の健康を考えるうえで欠かせません。ここでは、猫の耳に関する病気や耳掃除の注意点などについて紹介します。
猫の耳の病気
猫の耳に関する病気は、症状が出る位置や原因などによっていくつかに分類されます。人間と同様に、外耳道や中耳道に炎症を起こす「外耳炎」「中耳炎」は、猫もよくかかってしまう病気です。また、「耳ダニ症」などダニの寄生が原因で起こる病気もあります。これらの炎症や耳ダニを放っておくと、耳を引っかいたり出血したりして、耳の軟骨が損傷してしまうおそれがあります。軟骨の損傷は、耳から内出血して血腫ができる「耳血腫」を引き起こしてしまいます。猫にとって、耳は平衡感覚をつかさどる大切な器官でもあるので、耳の病気は猫の生活に深刻なダメージを与えます。いつもとは違う猫の異常に、飼い主さんがいち早く気づいてあげることが大切といえるでしょう。
簡単にできる!猫の耳掃除の方法
猫の耳掃除には、耳掃除専用のクリーナーとコットンを用意しましょう。コットンを指に巻きつけてクリーナーを適量含ませ、外側に向かって猫の耳のなかを拭き取ってあげます。猫にとって耳はとてもデリケートな器官なので、力をかけずに優しく行いましょう。また、猫の耳道は狭く、なかまで無理に掃除をしようとすると耳を傷つけてしまいかねません。そのため、耳掃除は見える部分のみで構いません。猫が急に動いて耳を傷つけるおそれがあるので、綿棒を使っての耳掃除はやめましょう。気になる汚れがなく耳のなかがきれいであれば、無理に耳掃除をする必要はありません。もし「耳垢が大量にあって取り切れない」「黒い耳垢がある」といった場合は、耳の病気を疑ってください。耳掃除をやめて、すぐ動物病院へ連れていきましょう。
耳掃除を嫌がる猫にはどうすれば良い?
猫は基本的に耳に触られるのを嫌います。ですから、無理やり耳を触ったり耳を強く引っ張ったりして、猫を不快にさせてしまってはいけません。猫がリラックスしている状態のときに、ストレスにならないよう優しく耳掃除をしてあげましょう。耳掃除が終わったらご褒美をあげるなど、猫のストレスにならないように気を配ってあげることも大切です。耳掃除も飼い主さんと猫とのスキンシップのひとつといえます。どうしても猫が嫌がるときは、無理やり耳掃除をすることは避けたほうが無難でしょう。嫌がると急に動いたり抵抗したりして、耳を傷つけてしまうおそれがあるからです。初めての耳掃除で、猫に「気持ちよかった」と思ってもらうことができれば、その後の耳掃除も楽になるはずです。