犬の鼻はなぜ濡れている?飼い主が知っておきたいチェックの仕方
2017年10月22日
犬に鼻を押し付けられるといつも濡れていますが、鼻水を出しているわけでもないのに湿ったままなのはどうしてでしょうか。犬には体の仕組みとして鼻を濡らしておく必要があり、乾いていたとしたら何か原因があるのです。それを知って、犬の健康チェックに役立てましょう。
犬の鼻が濡れている理由とは
健康な犬の鼻は濡れています。これは、犬が時々自分の鼻の頭をなめているためでもあるのですが、鼻から分泌液も出ていて、しっとりとした状態が保たれてもいるのです。犬の鼻の表面には汗腺、鼻の穴のそばには分泌腺があり、それがいつも鼻の表面を潤しています。犬の鼻の役割は、においをかぐだけではありません。空気の流れを知る必要もあるのです。
犬の嗅覚は人間の100万倍ともいわれていて、それで仲間や獲物の存在を感じるという大事な働きをしています。しかし、例えば風上でにおいをかぐのは、効率的ではありません。風向きを感じることも、においをきちんとかぐためには重要なのです。濡れていると、空気が動く時にひやりとした感じがして、風向きを知るのが楽になります。また鼻が濡れていれば、においの小さい分子が鼻にくっつきやすくなり、よりかぎやすくなるという効果もあるのです。
乾いているのは病気?
犬の鼻が乾いているのは病気のサインとされています。しかし、タイミングによっては異常ではありません。起きたばかりの犬の鼻が乾燥しているのは、当たり前のことなのです。
犬の鼻を濡らしている分泌物の量は、交感神経のコントロールを受けています。起きていて、行動が活発な時にはたくさん分泌され、眠くなってそろそろ休もうかという場合には少なくなってくるのです。ぐっすり眠っている時間は、においをかぐこともないので分泌物も出なくなります。ですから、寝起きの犬の鼻は乾いています。だんだん体が目覚めて、元気に動き回るようになると、鼻の頭もしっとりとしてくるのです。ただし、1日を通して乾いているといった状況だと、犬の体調に何か問題が起きている可能性があります。
鼻は一つのバロメータ!
犬の鼻が乾いている場合には、熱がないか確かめてみましょう。発熱や熱中症などを起こしていると、鼻が乾いてカサカサしてくるのです。体内に炎症があって熱を持っている場合にも、それが鼻の乾燥という形で表れることがあります。鼻の頭を潤している水気の1つは分泌液ですが、目や鼻、皮膚といった分泌腺に関わる部分にトラブルがあっても鼻は乾燥します。腺が詰まるなどして、しっとりさせられるだけの水分が出なくなるからです。
犬の鼻の頭が乾いている場合には、食欲や行動、トイレの様子などに注意して、おかしいと感じたら獣医師の診断を受けましょう。鼻の状態に注目しておけば、異常な状態に気付きやすくなり、もしもの場合に大事な愛犬の健康を早く取り戻す手助けにもなります。